チェコのお化け

昔のチェコには、色々なお化け[チェコ語でSTRAŠIDLA]が住んでいたそうです。お母さんやお祖母さんは、チェコ人の子どもにこのお化けの話をしています。ときどき子どもが悪いことをしないように「悪い子だったらお化けにさらわれちゃうよ」と言います。私は子どものころ病気になったとき、よく眠れるようにお化けの昔話をテープで聞かされました。私がお化けを好きになったのはその頃からかもしれません。

残念ながら、私はまだ何のお化けも見た経験がありません。

チェコのお化の中で最も有名なのはヴォドゥニーク「VODNÍK」だと思います。

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ヴォドゥニークは池の底にあるきれいな大邸宅に住んでいる水のお化けです。写真のように、棚の上に小さななべの中に溺れた人の魂を蓄えています。そのなべのふたを開けたら魂は空気のように逃げ出します。ヴォドゥニークは普段は緑色の肌で青い髪の男の姿をしているんですが、魚や馬に変身できます。馬の姿になったとき、とても強い馬か素敵な白馬になります。元の姿になるとき派手な色の服装を着ています。最も好きな色は黄色や緑色だそうです。人の姿もできますが、そうしたら必ずコートの左裾は濡れています。

ヴォドゥニークはさまざまの性格を持っているお化けです。優しい性格のヴォドゥニークの例はイチーン「Jičín」の近くの池で住んでいるヴォドゥニーク・チェシールコ「Česílko」です。その逆にヴォドゥニーク・ケブレ「Kebule」は不快ないたずらなどが好きだそうです。

ヴォドゥニークは色々な昔話の登場人物だけではなく、すこし変わったヴォドゥニークの家族が1975年のチェコの映画『Konec vodníků v Čechách』[チェコの最後のヴォドゥニークたち]に出ています。でも私にとって最も気になるヴォドゥニークはカレル・ヤロミール・エルベンの詩集『詩の花束』のバラードの一つ『水の精』、チェコ語で Vodník、です。この『詩の花束』をもとにして2000年に映画が作られました。

ルサルカ「RUSALKA」というお化けは、きれいな女の姿をしているヴォドゥニークの奥さんあるいは娘です。ルサルカはギリシアのセイレーンにちょっと似ているお化けです。きれいな声で歌を歌って人を池の中に誘います。そこで、ヴォドゥニークはその人を溺れさせて殺します。ルサルカは上に書いたとおりきれいな女の人の姿をしています。ただしルサルカの髪の色は青いです。服装は軽くて白や青いワンピースみたいな着物です。

1900年にチェコの有名な作曲家アントニン・ドヴォルザーク「Antonín Dvořák」が『ルサルカ』という歌劇を作りました。

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森の中に住んでいるお化けはいくつかの種類があります。その一つはディヴォジェンカ「DIVOŽENKA」、あるいはディヴァ-・ジェナ「DIVÁ ŽENA」と言います。両方の名の意味は野生の女です。外見についてはディヴォジェンカは汚れているスカートと上着みたいものを着て、髪に小枝や葉が付いています。

もしディヴォジェンカが子を生んだら、その子はとてもぶさいくでうるさいです。ディヴォジェンカもその子が欲しくないので人間の赤ん坊と入れ替わります。そんな子はうるさくて弱くて長く生きられません。

ディヴォジェンカと一緒に森に住んでいるお化けはへイカル「Hejkal」です。深い森の中で叫んで人を道に迷わせます。そこで人は迷い根につまづいたら、帰り道を見失しまいます。道に戻るために迷った根をもう一度渡るまで自分の足跡の後方を歩いていかなければなりません。それはそうとう難しいなのでたいていの人は一生森から出られなくなってしまいます。

森の奥の洞窟にエジンキ「JEZINKY」というお化けたちが住んでいます。エジンキは失恋した女の人の霊で若い男の人をきれいな歌で森の奥に誘ってそれで消えてしまいます。そんな男は道に迷ってうちに帰れなくなります。

また夜遅く帰るとき畑の上に小さな光を見えたら、それを追って行ってはいけません。なぜならその光は鬼火なのだと昔のチェコ人が言いました。チェコではブルウディチュカと「BLUDIČKA」言い、洗礼の前に死んだ赤ちゃんの魂です。人を道からおびき寄せて沼へ連れて行って溺れさせます。

他のお化けはヴィーラ「VÍLA」です。ヴィーラはきれいな女の子の姿で人に色々ないたずらします。森のヴィーラはドリヤーダ「DRYJÁDA」、草地のはナヤーダ「NAJÁDA」と言います。ヴィーラの住んでいる場所は違っても自然を何より大事にしているということは変わりません。

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またチェコの昔話に良く出るお化けはチェルト「ČERT」です。チェルトは悪いもののはずなのに時々人を笑わせるやつ、あるいは良いやつになります。チェコではサイント・ニコラウスの日『12月5日』に聖二コラウスと天使とともに子どもがいる家を訪ねています。その家の子どもその1年間の間に悪い子だったら一緒に地獄にさらわれてしまいます。この習慣は今でも続いています。もちろんチェルトたちの格好するのは人間の大人ですけど。

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他の昔話に人気があるお化けエジババ「JEŽIBABA」あるいはババヤガ「BABAJAGA」です。エジババはお年寄りの女の姿をしている魔法使いです。エジババの鼻にいぼが付いている場合が多いです。エジババは場合によって良いやつも悪いやつにもなれます。

チェコではさまざまな所に局地的なお化けがいます。それは家のものとか、ある町だけに現れるお化けなどがいます。城でも色々なお化けが出るらしいです。城に出るものはお化けより幽霊と言った方がいいです。よく出るのはビーラー・パニー「BÍLÁ PANÍ」や首無しライダー「チェコ語でBEZHLAVÝ JEZDECべズフラヴィー・エズデツ、頭が首の付いていない騎士のことです」などです。

鉱山に良く出るお化けはペルモニーク「PERMONÍK」です。ペルモニークは白雪姫のドワーフに似ています。

ところで私が住んでいる町にも、局地的なお化けがいたそうです。ストルジーブロは鉱山の町でして「ストルジーブロ、Stříbro、はチェコ語で<銀>の意味です」、デゥフマウス「DUCHMAUS」というお化けがいました。このお化けは大きい馬のような頭で灰色の肌で小さな体の邪気です。あと背中にこぶとで手に指6本があるらしいです。デゥフマウスは普段灰色の上着を着ていて手に鉄の杖を持っているらしいです。あるプルゼニ「Plzeň」のバンドがデゥフマウスについて曲を作りました。その曲の名は『Skřet Duchmaus ze Stříbra』「ストルジーブロの邪気デゥフマウス」。よかったらこのリンクで曲を聞かせます。ここでは私が通訳した歌詞ですが“下手ですみません”。

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