ヘンリエタ・ヴァルコヴァー
スロバキアでは、クリスマスほど人気がある祭日はないといえるだろう。元々はキリスト教の祭日なのに、「家族の祭日」とも呼ばれると思う。言い換えると、キリスト教徒ではない人も自分の家族と一緒に毎年クリスマスを過ごしている。
キリストの降誕はクリスマスのきっかけになったので、キリスト教に基づく習慣がある。例えば、晩ご飯の前に「oplátka」というウエハースのような物を蜂蜜とガーリックと一緒に食べることだ。オプラートカはミサで食べられる聖体、つまりキリストの実体を表している物、みたいだ。他には、例えば、キリストに信じている人は夜中に行われるミサに参加する。
しかし、上で説明された習慣は皆がしているわけではない。キリスト教徒ではない人々は普通に教会に行かないわけだ。
皆がしている習慣なら、クリスマス・イブに(12月24日)家族と一緒に晩ご飯を食べたり、プレゼントをもらったりあげたりすることだと思う。アメリカと違って、スロバキアでは24日はクリスマスの一番大事な日だ。クリスマスの晩ご飯といえば、キャベツのスープやフライにした鯉とポテトサラダが一般的だ。鯉と言うときは、びっくりした日本人がたくさんいると思うが、日本にいるようなきれいな鯉ではなく、食べるための普通の鯉だ。もちろん、魚が嫌いな人もいるので、そういう人はフライドチキンを食べることが多い。
晩ご飯の後では、プレゼントをもらったりあげたりする。小さな子供は、サンタクロースではなく、「Ježiško」という人を信じている。イエジッシュコという名前を日本語に訳せれば、「赤ちゃんのキリスト」ということになる。そのイエジッシュコがサンタクロースと違ってどのように見えるか知られていない。彼は晩ご飯のすぐ後でプレゼントを持ってくるので、親にとっては見られないように速くクリスマスツリーの下にプレゼントを置くのは苦しいだろう。
クリスマスツリーといえば、昔にはちょうど24日に飾るのは普通だったが、今日はクリスマスの一週間前ぐらいに飾る人もいる。クリスマスの雰囲気をもっと長く楽しみたがっているからだろう。
晩ご飯の後ではいろいろなクリスマスのクッキーを食べるのも普通だと思う。そのクッキーは形や味がいろいろで、クリスマスの前に準備されている。一番一般的なのは、ジンジャーブレッドだ。
スロバキアでは、25日、26日もクリスマスの日なのに、特別な習慣がないと思う。もちろん、伝統的な村ではいろいろな昔から残っている習慣があるが、ブラチスラバのような大きい町ではあまり見えない。
クリスマス・イブはもう2日後に来る。スロバキア人の皆がクリスマスツリーに輝かしている部屋でクリスマスの雰囲気をもう楽しんでいるだろう。では、皆さんも、楽しいクリスマスの日々をお過ごしください。
(12月に執筆しました。)